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砂の塔

掃きよせた落ち葉を風がさらってゆく(砂が素足にあたって痛い)

立ち枯れて咲くヒマワリの野の向こう強制収容所跡などがある

街路樹はあの日の秋の色をしても行方不明のままの友だち

なぜか声をかけられなかったそれっきりどこにもあなたがいなくなった

サティアンという塔ありき落ちてくるイカルスの群れを見るようだった

泣いたって仕方ないから片隅で痛みがとおりすぎるのを待つ

見殺して逃げたときから錆びた鉄を舐めたみたいな味がしている

抵抗は無駄なことだとじゃりじゃりとコンクリートをかじりはじめた

鉄のベッドがくぼんでいるのは爆弾が落ちたあとあなたが死んだあと

街も森もむかし話もことごとく砂の巨人がさらっていった

                                   「未来」2008年1月号

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